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研修制度インタビュー

大学等委託研修で学ぶ

INTERVIEW03

専門知識と先進的な手法を身につけ
「防災」の高度化に寄与したい。

大学等委託研修|東京大学
防災部 震災対策課
平成21年入庁

「学び」を奨励する東京消防庁の風土。

大学院などでの外部研修や資格取得を通して、職員1人ひとりの能力を伸ばそうとする風土が根づいているのは、入庁してあらためて知った東京消防庁の魅力でした。 実際に今、私は東京大学生産技術研究所に研究生として派遣されているのですが、きっかけは当時在籍していた防災安全課の上司からこの研修を教えられ、「興味があれば早いうちに受けた方が良い」と後押しされたからでした。入庁後に配属された消防署で4年間、ポンプ隊員と査察係を経験し、異動した本庁の防災安全課での仕事は、住宅火災による死亡者の調査分析や、東京都住宅防火対策推進協議会の事務局運営など。死者発生状況の分析で地域によって大きな差があることに疑問を持ち、協議会の運営で大学教授など学識経験者との接点があって、知識を深めることへの興味が生まれていた頃に上司の勧めがあり、大学院研修への応募を決めました。

VRなど先進技術を用いて災害をシミュレーション。

大学院等への委託研修にも、通常の大学院生と同じように授業を受け修士論文を提出して修了する形と、私のように研究生として派遣される道があります。研究生の場合は修士論文を出す必要がないため、多岐にわたる研究テーマに関われることが魅力だと思います。私の場合で言えば、現在「地震火災時の避難行動」「地震被害の想定」「市街地における火災延焼のシミュレーション」という3つのテーマに並行して取り組んでいます。それぞれつながりがあり、地震発生時にはどんな被害が発生し、火災が起きればどのように延焼し、その中で人々はどう動き、どんな被害が出るかを想定することになります。そして、より現実的な被害を想定した上で、対策を講じるのが東京消防庁の役割になるわけです。コンピュータによるシミュレーションやVR(バーチャルリアリティ)など、先進的な技術を活用した研究に最初は戸惑いもありましたが、自分なりに勉強してどうにか使いこなせるようになりました。

あらためて知った防災での東京消防庁の存在の大きさ。

研究所で研究を始めて、防災分野における東京消防庁の存在や、社会的な影響力の大きさをあらためて知ることにもなりました。参考文献をあたっていると、東京消防庁の先輩たちが発表した論文に度々出会い、当庁が事務局として関わっている都知事の諮問機関「火災予防審議会」の答申は、多くの自治体で地震被害想定の参考に用いられています。私もこれまで2度ほど、学会で論文を発表しました。文系の普通の学生だった私にとって学会や論文発表など縁遠い存在だったので、これも新鮮な経験になりました。 「防災」という分野には、答えのない課題に対して、自分で計画し新たな方法を考え、より良い答えを探す面白さがあります。東京2020オリンピックパラリンピック競技大会では、多くの外国の方が東京を訪れることになります。そうした方たちに、東京が安全・安心な都市であることを感じてもらえるよう、何らかの貢献をしたいと考えています。