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研修制度インタビュー

大学等委託研修で学ぶ

INTERVIEW04

将来的な技術の研究に取り組み
大学院への委託研修の意義を活かす

大学等委託研修|東京理科大学
消防技術安全所 危険物質検証課
平成22年入庁

自分にとって理想の就職先だった東京消防庁。

私は大学と大学院で環境保全に関わる水の研究を行っていたのですが、子どもの頃から消防士への憧れもあり、早くから東京消防庁を就職先の第一志望にしていました。採用パンフレットなどで調べると、災害現場での活動はもちろん、化学の専門知識を活かせる場もあり、大学院等の専門機関への研修で新たな知識を獲得し、自分の可能性を広げることもできる。私にとって東京消防庁は、まさに理想的な就職先でした。大学院1年のとき、そんな気持ちを先生に話したら「経験を積むつもりで今年から受けたらどうだ」と言われ、採用試験を受けたら合格。せっかく得たチャンスなので、大学院は中退して東京消防庁に入庁しました。ポンプ隊員として火災現場で活動し、化学機動中隊や消防技術安全所危険物質検証課で化学知識を活かし、そして今、大学院への委託研修へ。入庁前の期待がこれほど順当に叶うとは、想像もしていませんでした。

化学機動中隊員を経験して決めた大学院研修への応募。

「何がやりたい?」。入庁以来、上司や先輩から何かにつけこのような質問を受けてきました。東京消防庁には様々な活躍の場があるので、本人の希望を知り、後押ししようという風土があるのだと思います。そんなとき私がいつも「大学時代に得た化学知識が活かせる仕事がしたい」と答えていたら、化学機動中隊への志望を勧められ、選抜・研修を経て平成25年4月から2年間、この化学専門部隊の一員として活動しました。 高度な化学知識を持った隊員たちが、様々な分析器を用いて現場に残る気体や液体が何かを特定し、適切に対処する。化学機動中隊で活動する間に、自分の知識をもっと深め、幅も広げたいと考え始めて大学院での委託研修に応募しました。

消防士の活動を助ける「テラヘルツ波」の研究。

現在、東京理科大学国際火災科学研究科で勉強・研究に取り組んでいます。入学後の半年間は、授業に専念し、火災を数値から見るなど新たな視点を得るとともに、実験手法や研究テーマを「ゼロから考える癖」も身につけました。決まった道筋がない中、自分で考え答えを出すのは、大学院での研究活動ならではだと感じます。
そうして選んだ研究テーマは「テラヘルツ波によるガス分析」です。室内などに充満したガスの分析では、以前から赤外線を使った手法が用いられてきました。しかし赤外線には、煙を除去しないと正しい測定ができないという課題がありました。電磁波の一種であるテラヘルツ波なら、煙の影響を受けずに即座にガスの分析ができ、煙で何も見えない室内の様子を透視するシステムの実現も期待されます。
私が大学院に来る前の半年間携わっていた当庁の消防技術安全所の業務でも、消防士の装備に関わる研究を行っています。テラヘルツ波の活用はかなり先行的な研究ですが、庁内でこうした基礎的・将来的な研究開発まで手を広げるのは難しく、それに取り組み何らかの成果を得ることに、私が委託研修に送り出された意義もあると考えています。