電 気

入庁後に夜間大学に通って学んだ電気工学。
この知識を都民安全のために広く役立てる。

消防技術安全所 装備安全課/平成16年入庁

学生時代に学んでいたこと

東京消防庁には高校卒業後に入ったのですが、入庁の翌年から大学の夜間部に通い始めて電気工学を学びました。同じポンプ隊の先輩が夜間の大学に通っていて、「夜学に行くと庁外の人との交流も生まれて人間の幅が広がる」と話していたことに触発されました。父が電気関係の仕事をしており、自分も昔から興味を持っていたのが電気工学を選んだ理由です。大学のクラスは半分ほどが社会人で、色々な企業の人、弁護士や弁理士などもいて、確かに電気工学だけでなく様々な知識を得ることができました。
卒業研究のテーマは、自分の仕事にも関係したものが良いと考え「電源プラグのトラッキング火災」を選びました。コンセントに差し込んだままの電源プラグから起きる火災のメカニズムを解析するもので、この研究は後に私の仕事に直接活きることになりました。

現在の仕事

私が現在所属している消防技術安全所は、昭和36年に設立された消防科学研究所を前身とする東京消防庁の検証等を行う部署で、複雑化する災害から都民の安全・安心を守るための研究および、消防隊員の活動を支援する資器材の高度化などに取り組んでいます。
その中で私は、都民安全に関わる領域の研究を担当しています。具体的なテーマとしては、学校の給食室などにある回転釜で発生する火災の検証、小売店で安全に陳列できる花火の総量に関する検証などを行ってきました。回転釜な
ら類似火災の防止策、花火であれば規制緩和などを検討する上での科学的な裏付けになるわけです。いずれも電気工学とは直接は結びつきませんが、実験の進め方などで大学での経験が活きました。
そして今年度は、大学で取り組んでいた「電源プラグのトラッキング火災」が研究テーマになりました。トラッキング火災は近年、社会的にも問題となっており、防災のために科学的データがほしいとの要望が関係部署から上がっていたのです。

目標について

消防技術安全所での検証は、実験方法の検討から実験装置の準備、実施まで、自分で考え、自分で進められるところに醍醐味を感じます。それぞれが個別にテーマを持ち、主体的に研究を進める体制になっているのです。大学時代に文献調査の大切さを知ったので、日頃から最新の論文や文献に目を通し、検証に役立てています。実験が壁に突きあたった時、他の目的で行った実験例が打開のヒントになることも少なくありません。また自分の検証成果が、防災や東京消防庁の施策に実際に活かされる点にもやり甲斐を感じています。検証を続けていると新たな知識への興味も膨らむもので、私は最近、統計学を学びたいと思い始めました。実験結果をまとめる中で、統計の知識も必要だと感じたのがきっかけでした。東京消防庁には、大学などでの委託研修制度(大学院や研究機関に派遣され学術的な知識を得る制度)もあり、電気を専門にしつつ関連する知識も広く身に付けて、都民の安全や防災により高いレベルで貢献できる人材になりたいと思っています。