SPECIAL INTERVIEW

4総合指令室

COMPREHENSIVE CONTROL

警防部 総合指令室
平成16年入庁

119番通報を受け、出場の指令を出す。

都内の119番通報がすべて集まり、災害対応の起点になる部署。それが私の所属する総合指令室です。東京消防庁には都内23区の通報を受ける総合指令室と多摩地区を担当する多摩指令室の2つがあり、私が総合指令室に勤務するのは2度目になります。最初は、都内北東部の署でポンプ車や救急車の機関員を7年務めた後の1年半。そして別の署でポンプ小隊長として2年活動し、平成26年に2度目の指令室勤務を命ぜられました。
指令室の業務を少し詳しく説明しますと、119番通報を「受付」担当が受けて災害の場所や内容・規模を判断し、最寄りの部隊に出場を指令。その後、火災は「無線」担当が、救急は「AC(Ambulance Control)」と呼ばれる救急管制の担当者が引き継ぎ、部隊の出場から帰署までを管理します。現場の状況により応援が必要なら受付担当が近隣の部隊に出場指令を出すため、皆で連携しながら指令管制業務を行っています。ACには救急活動に関する高度な知識が必要であり、私は受付や無線を担当してきました。

震災時に役立てなかった悔しさをバネに。

最初に指令室に配属された頃のことは、今も痛烈に記憶に残っています。初めて配属された職員は最初の1ヵ月、先輩からマンツーマンで指導を受け指令管制の仕事を覚える「教養期間」があるのですが、私が配置になったのは平成23(2011)年の3月1日。3月11日に東日本大震災が発生して119番通報が鳴り続ける中、教養中の自分は119番通報を取ることができず、上司や先輩の業務の補佐をすることしかできませんでした。10日ほど前まで現場で機関員を務めていたのですから、こんな非常時に力を発揮できず、本当に悔しい思いをしました。
災害はいつ起きるのか予測できません。馴れない業務でも一日も早く身につけ、常に「戦力」でありたいと震災時の経験で強く思いました。

判断力が磨かれる指令管制業務。

助けを求めている人の声を直接聞く。これはポンプ隊時代には経験がなく、驚きの連続でした。「大変だ」「早く来てくれ」と叫ぶばかりで、何が起きているのかわからない通報も少なくありません。その中に混じった「変な匂いがする」といった一言を聞き逃さず、焦げ臭いのか薬品の刺激臭なのかを探る。興奮して早口になっていれば、落ち着かせて必要な情報を聴き出す。必要な情報を聴取し、必要な部隊を出場させるとてもやりがいのある仕事です。
23区内すべての通報が集まるのも難しさの1つで、「○○ビルが見える」と、その地域の著名な建物が有力な情報になることがあります。すべてを把握するのはとても無理ですが、帰りがけや非番の日にはよく、人が集まる新宿や渋谷、池袋などを歩き、地理やランドマークの知識を深めることで少しでも早く場所が特定できるように努めています。
個々の担当者に判断が任されるのが指令室の大きな特徴です。急を要するため、上司や同僚に相談している暇はありません。まず自分で判断して指令を出し、報告し、必要に応じて追加出場などを行う。2度の指令室への配属でこのような判断力を身につけられたのは、自分の大きな財産になっていると思います。

東京消防庁で
働くことの意義

東京消防庁には様々な職種・業務があり、自分が予想もしなかった部署に配属されても新たなスキルを身につけることができます。私自身、指令室に配属されるなどまったく考えていませんでしたが、この仕事で様々な知識と経験を得て、ポンプ隊に戻った際にも色々な形で活きました。また、目標を持った職員を応援してくれるのも東京消防庁です。自分を成長させたいと望んでいる方たちにとって、ここは最適な環境だとお勧めできます。