活躍する
女性消防官

女性消防官の職域拡大
-
昭和47年4月
女性消防官の
採用開始従事できる業務
都民に対する防火、防災指導事務立入検査と行政指導事務危険物施設等に関する許可、認可事務消防広報、広聴事務 -
平成3年7月
救急業務等に
従事可能従事できる業務
救急業務情報員としての業務火災調査業務 -
平成6年5月
深夜業への
従事制限の撤廃従事できる業務
機関業務補給車、照明電源車、救援車等の特殊車隊の業務消防舟艇の船長・機関長の業務航空隊の飛行・整備業務 -
平成18年3月
男性と同様の
職域に拡大従事できる業務
男性消防官と同様の業務に従事可能
(ただし、毒劇物等に係る災害への対応を主任務とする特殊な業務を除く)
女性消防官の活躍に向けた取組
-
資器材の電動化、軽量化資器材の電動化、軽量化
災害現場で使用する資器材について、電動化、軽量化を図り、女性消防官の体力面の不安をサポートしています。
-
災害現場での活動支援災害現場での活動支援
長時間を要する災害活動の際にも、女性消防官が安心して活動できる環境を整備しています。
また、男女別のトイレスペースを確保し、プライバシーに配慮しています。 -
働きやすい消防庁舎の整備働きやすい消防庁舎の整備
女性職員が働きやすい職場環境の実現に向け、女性用仮眠室、女性用浴室、女性用トイレ等が備わっている消防庁舎を順次整備しています。
-
所属間交流会所属間交流会
女性職員が家庭と仕事の両立の参考となる他消防署の様々な先輩女性職員と交流する機会を設け、キャリアプラン形成を促進しています。
令和4年度はWeb会議システム(Zoom)を活用して開催し、165名の女性職員が参加しました。
女性消防官の増加
昭和47年度に東京消防庁初となる女性消防官64名が入庁して以来、女性消防官の職域の拡大とともに人数も増加し、令和6年4月1日時点で1,390名の女性消防官が様々な職種で活躍しています。

キャリアプラン
ライフイベントに応じて働き方を変え、それぞれの分野でスキルアップを図る

-
Point1
希望職種である機関員(運転手)の庁内研修に参加し、交替制としての勤務をスタート。さらに庁外研修制度を活用し大型自動車免許を取得。
-
Point2
ライフイベントに応じて働き方を変更、出産後は勤務時間を短縮し職場復帰。子育てをしながら予防技術の庁内資格を取得し火災予防の分野でもスキルアップ。
-
Point3
交替制勤務を再開、当庁職員である配偶者も交替制勤務のため、出勤日が被らないよう調整を受けながら仕事と子育てを両立。
入庁早期から研修制度を活用し仕事と子育てを両立しながら救急分野で活躍する

-
Point1
マルチテクニックプログラムで入庁早期に救急技術の庁内資格を取得することで、その後の選択肢の幅をさらに広げることができる。
-
Point2
キャリアプランの方向性を定め、救急救命士の国家資格を取得し救急隊員としてのキャリアアップを図る。
-
Point3
救急隊長としての今後を見据え復職後に気管挿管・薬剤投与研修に参加、配偶者と協力しながら仕事と子育てを両立。
災害対応業務で活躍する女性消防官の声

2008年入庁
栃木県出身

2010年入庁
関西地方出身

2012年入庁
大分県出身

2003年入庁
東北地方出身
女性消防官の声

2008年入庁
栃木県出身
救急救命士の知識を最大限に活かせる場所
救急救命士の知識を活かした仕事に就きたいという想いから、消防官を志しました。東京消防庁は、世界最大の規模を持つ消防組織であり、東京都で暮らす約1400万人もの方々の安全を守るという使命の大きさに魅力を感じました。入庁後は救急隊や予防課で勤務し、都民の安全を守るために活動しています。
デイタイム救急隊の誕生
令和元年5月に、私が所属するデイタイム救急隊が発隊しました。デイタイム救急隊は、取得した資格を活かすとともに子育てや介護と両立したい職員のために、毎日勤務に対応した時間で運用できます。東京消防庁の働き方改革の一つとして注目を集めています。
“消防官”として、“母”として最前線へ挑戦する
子育てが落ち着いたら救急隊に乗務したいと考えてたところ、デイタイム救急隊が発隊することを知り、志願しました。「ON」と「OFF」の切り替えを上手に行いながら、都民の方々の命を守るために活動しています。
傷病者に対して女性ならではの安心感を与える
体力面から傷病者に不安を与えるかもしれないと考えていましたが、女性の傷病者の方からは「女性の隊員が多くて安心しました」という声が多く、そんな声をいただくたびに嬉しく感じています。デイタイム救急隊では女性の隊員だけで出場することもあり、女性ならではの安心感を与えられるのもデイタイム救急隊の特徴の一つです。
自然に生まれるチームワークの良さ
隊員同士、子育てや介護をしていることから、困っていることがあればお互いにカバーし合いながら仕事をしており、自然にチームワークが生まれています。また、子育てについての情報共有や相談もできるので、本当に心強い仲間ができたと感謝しています。
女性消防官の声

2010年入庁
関西地方出身
きっかけは「運転が好き」
学生時代から車やバイクの運転が好きで、大型自動車と大型自動二輪の免許を取得。就職は人の役に立つ仕事がしたいと考え、消防官の職務内容を調べたとき、消防車両を運転する機関員という職務があることを知り、女性のはしご機関員も活躍している東京消防庁が私の第一希望になりました。
一貫して車両に関わる職務を担当
入庁2年目にポンプ機関員、5年目に特別操作機関員の技術認定を受け、念願のはしご機関員になりました。また機械装備係として車両の不具合や車検の点検整備や車検等工場への入工の管理も私の担当業務です。現在、技術面でも事務面でも車両に関わる希望通りの職務に就けているのは嬉しいです。
仲間の安全と命を守るのが使命
はしご機関員は、高層ビルでの消火や救助の現場でバスケットに仲間の隊員を乗せ、安全かつ的確な位置にはしごを操作する技術が必要です。また、機関員は仲間の命やその家族の幸せまで預かる仕事であるため、訓練も含め運転や操作は安全第一でなければなりません。緊張感を持ち、いつも真剣勝負です。
機関員のスペシャリストを目指して
体力面では男性隊員に敵わない部分も多く、自分の不甲斐なさに落ち込むこともありました。でも機関員は技術と警防業務の面から十分役に立てる、性差を全く感じない分野です。将来は、どんな特殊車両にも対応できる技術と経験を磨き、機関員のスペシャリストとして認められることが目標です。
女性消防官の声

2012年入庁
大分県出身
東日本大震災での懸命な活動をニュースで見て入庁を決意
東日本大震災など各地で発生した大規模災害に緊急消防援助隊として人命救助に尽力する消防官に感銘を受け、人の役に立つ仕事がしたいと思い、入庁を決意しました。消防署に配属後はポンプ隊員として活動する同期の話を聞いて、災害現場で人々の命を救う災害対応業務を希望しました。その後、ポンプ隊員を経験し、指揮隊伝令として部隊の活動を支えています。
冷静に全体を把握し災害の収束に向け尽力する
私が担当する伝令の任務は、災害現場の状況を的確に把握し、無線などを活用して大隊長の補佐及び命令の伝達を行う重要な役割を担っています。火災現場では、燃えている建物の延焼面積の算定や逃げ遅れの人数などの確認を行って大隊長に伝えるとともに、通信担当と災害の推移や応援要請などの状況を無線交信しています。早期に災害を収束できたときは大きなやりがいを感じています。
消防活動の司令塔として正しい情報を迅速かつ的確に伝える
災害現場で収集した全ての情報は、大隊長が各部隊への指示を判断する材料となるため、迅速かつ的確に情報を伝えられるように、日頃から建物の面積算定や部隊運用の勉強にも力を注いでいます。また、伝令は活動する部隊からの無線報告を聞き、通信担当と無線交信をしながら指揮板に情報を記載するなど、多くのことを同時に行うため、広い視野を持って冷静に全体を見ることを心がけています。
幅広い業務に対応できる信頼の厚い消防官を目指して
私はポンプ隊員と指揮隊伝令の他に、指揮隊車の運転及び総合指令室との無線交信を行う通信担当として活動をしていました。将来は災害現場で収集した情報を出場隊に伝達し、部隊全体の活動を統制する指揮担当になることが目標です。また、災害対応も事務処理も的確に行うことができる、都民や上司、部下から信頼される消防官になりたいと考えています。
女性消防官の声

2003年入庁
東北地方出身
私が入庁した理由
採用ホームページなどで調べたところ、仕事の幅が広く、たくさんの女性が活躍し、結婚や出産を経ても長く働き続けられるといった魅力を感じました。これらはまさに私が働く場として望んでいた環境で、迷うことなく入庁を決めました。
私の仕事について
交替制での指揮隊員や指令室での勤務を経て、長男の出産後からは毎日勤務で多摩指令室に務めています。主な業務は、他の消防本部など防災関係者の視察や意見交換会の対応です。鉄道会社の方が指令室の活動を視察し、より迅速な事故・災害対応や協力体制について話し合うこともあります。また、119番通報が多いときは通報の受付対応も行っています。
私が大切にしていること
視察や意見交換会の計画では、先方が何を望んでいるかをよく理解し、指令室の状況もしっかり把握して、より充実した視察になるよう心がけています。常に改善や効率化を考えることで、仕事に対するモチベーションが高まり成長にもつながると考えています。子供がまだ小さく急に休んだり早退させてもらったりするため、業務に支障をきたさないよう、上司や同僚とは日頃から情報を共有するようにしています。
これからのキャリアについて
先々の目標は大隊長ですが、当面は仕事と子育てのバランスを取りつつ、様々な業務を経験して自分の幅を広げたいと思っています。また、指令室員を務めていると色々な災害に接し、災害対応の全容を知ることができるので、再び現場に出てここで得た知識を活かしたいです。救急隊員として活動した経験もあり、指揮隊員や救急隊員として従事することが目標です。