INTRODUCTION
平成27年入庁 埼玉県出身
人命救助の専門部隊という
使命と周囲の期待が
さらなる高みを目指す原動力になる
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TOPICS01災害現場での活躍ぶりに感銘を受け
特別救助隊を目指すことにオレンジ色の隊服に身を包み、困難な災害現場に力を尽くす特別救助隊は、災害現場において目立つ存在であり、特別救助隊員になることを目標に東京消防庁を目指す方も少なくないと思います。しかし、入庁時は具体的に何になりたいのか目標が決まっていませんでした。入庁2年目に、ポンプ隊の一員として列車の事故に出場したことがきっかけで、特別救助隊に強い憧れを持ちました。私に与えられた役割は、列車の運行停止状況及び周囲の確認を行う安全監視でした。特別救助隊と同じ災害現場にいても私は安全監視の任務を任されていたため、直接活動に携わることはありませんが、私の目の前では特別救助隊が懸命に救助活動にあたっていました。このときから、特別救助隊を意識し始めました。その後、同じ消防署の特別救助隊を間近で見ると、隊のメンバー全員が高度な知識・技術を有し、隊員同士がアイコンタクトで動けるほどのチームワークの良さが印象的でした。そして、私もその一員になりたいとの気持ちが強まり、特別救助隊の資格取得を目指す決意を固めました。
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TOPICS02「一番辛いのは助けを求める人」
それを肝に銘じて救助活動にあたる特別救助隊員になるために必要不可欠な庁内の選抜試験と27日間にわたる研修は、予想を超えるハードなものでした。最初の難関である選抜試験は、資器材に関することや活動要領、安全管理など多くの知識が求められる筆記試験に始まり、体力試験や口頭試問などが待ち受けています。当時、所属していた出張所の中隊長は特別救助隊としての経験も長く、試験合格の為に必要なことを教えてくれました。また、出張所の上司・先輩方が全面的に協力してくださったおかげで、高いハードルを乗り越えられたのだと思っています。そして無事試験に合格し、研修の中で得た最大のものが「助けを求める人の辛さ」を知ったことでした。二人一組で片方が要救助者役になり、階段の上り下りや、長い距離を搬送する訓練を繰り返し行い、体力的にも精神的にもきつかったことを覚えています。しかし、背負われた要救護者は、それ以上に辛い思いをしていることを実感しました。この経験から、要救助者に負担をかけずに救出する大切さを学び、今の活動に活きています。
その先に目指すのは消防救助機動部隊
私たち特別救助隊は、現場の状況に合わせて様々な資器材を駆使し、救助活動にあたります。日頃の訓練や現場で感じる先輩たちと私の大きな違いは、資器材ごとの長所や注意点を深く理解し、最適なものを素早く選んで使いこなすことです。また、資器材の取扱いでは空気のこぎりで鉄パイプを切る作業一つでも、先輩が切った切断面は滑らかで技術の差を痛感します。この差は、「要救助者へ与える苦痛の大きさ」に直結するので、多少の違いでも大きな差となります。こうした差を1日も早く埋めるのが当面の目標であり、将来は消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)の一員として職務に励みたいと思っています。大規模な自然災害や複雑な災害など、消防救助機動部隊だからこそ経験できる現場も少なくありません。そうした環境の中でより多くの知識や技術を身につけるとともに、一人でも多くの要救助者の命を救いたいと考えています。
- ポンプ隊員
- はしご隊員
- 特別救助隊員