INTRODUCTION
平成28年入庁 千葉県出身
幅広い任務を担い
都民を災害から守る部隊
消火活動に特化した
「特別消火中隊」を編成
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TOPICS01同じ火災現場は一つとしてないからこそ
日々の訓練で基礎力と対応力を磨く自分が特別消火中隊の一員であることを実感した災害現場の一つに、ごみ焼却場で発生した火災があります。消防署の本署や各出張所からポンプ隊が出場したのですが、私たちの隊は現場から最も遠く、他の隊より遅れて到着しました。しかし、特殊な現場でもあることから、建物内の検索及び消火活動は私たちが先に立って行うことになりました。ごみ焼却場であるため、可燃物があちこちに山となっており、煙が充満している真っ暗な中での活動には、恐怖も伴いました。しかし、前には隊長がいて周りにも先輩たちがいる、そのことが自分に勇気を与え、困難な活動も続けることができました。幸い逃げ遅れた人はいなかったものの、鎮火するまでに10時間近く時間を要しました。このような特殊な現場だけでなく、一般的な住宅の火災でも同じ条件で活動できることはありません。何があっても迅速な災害対応ができるよう、日々の訓練で基礎的な力を高め続けると同時に、応用力を磨くことが大切だと考えています。
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TOPICS02救急隊との連携活動で実感した
「人を救う」ことの喜び東京消防庁には「人を助けたい」という想いで入庁した職員が数多くいます。PA連携では、そのような想いに対する手応えを感じることも多く、私もポンプ隊員のときに記憶に残る経験をしました。このときの出場先は管轄区域内最大のターミナル駅で、電車の利用客が駅構内で具合が悪くなったとの通報があり、救急隊とともに現場に駆けつけました。助けを求めていたのはアメリカ人の男性で、日本人の奥様が付き添っていました。状態を聞くうちに意識が遠のき、その場で心肺停止となってしまいました。即座に心肺蘇生を実施し、救急隊が搬送する病院に向けて出発するまで必死に心臓マッサージを続けました。数週間後、そのご夫婦がわざわざ消防署を訪れ「おかげで社会復帰ができた」と感謝の言葉を届けてくれたとき、人の命を救うことができた嬉しさを実感しました。特別消火中隊となった今も、日々の訓練や災害現場での活動が人々の命を救うことにつながり、私の最大のモチベーションになっています。
幅広い対応力を備えた
「消防官」を目指す
様々な資格を取得することで自分の仕事の幅が広がるため、半年ほど前にポンプ機関技術を取得しました。ポンプ機関技術を取得したことで、ポンプ車の運転やポンプ運用ができるようになり、今後はポンプ機関員としての経験を積むことが目標です。そして災害現場の最前線に立つ隊員として自信をつけ、将来は小隊長、さらには中隊長になるというキャリアアップも目指しています。小隊長なら日々の訓練を通じて自分の隊をより強靭にする、中隊長となれば現場の状況を見ながら各隊を適切に動かして迅速かつ効果的に活動を行うといった、立場が上になるほど責任が重くなりますが、それ以上に大きなやりがいを感じることができると思っています。
- ポンプ隊員
- 特別消火中隊員