INTRODUCTION
平成26年入庁 富山県出身
一つひとつの建物の安全性を
高めることが
東京の安全につながる
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TOPICS01大学で学んだことを活かし
災害に耐えうる建物を増やす入庁後、ポンプ隊員として活動するかたわら予防業務を担当し、「火災を未然に防ぐことが結果的により多くの人の命を守ることにつながる」と考えたのが予防の道に進むきっかけとなりました。また、私は法学部の出身なので、予防の仕事は法律との関わりが深く、大学で学んだことを活かしながら業務に取り組めることも魅力の一つでした。予防係が担う基本的な役割は、新築建物の設計図面や実際の施工状況を見て、消防法令に則って建物がつくられているかを審査し指導することにあります。しかし、これは建物を建てる際に最低限守るべき義務であり、予防係の真のやりがいは、義務の範囲から一歩踏み出し、より安全性の高い建物にすることにあると感じました。より安全・安心な建物にするため法令を遵守させることはもちろんのこと、法令上義務ではない指導基準を守ってもらうことも重要な任務です。しかし、法令及び指導基準を守るには費用がかかるため、いかに施主や業者の方を納得させ、火災予防の大切さを理解してもらうかが鍵となります。建物の一つひとつの安全を確保することが東京都全体の安全・安心につながることを知ってもらうため、業者の方と粘り強く話し、万一の災害にも耐えうる建物を一つでも多く増やすよう努力を続けています。
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TOPICS02最も恐いのは「慣れ」
手順や根拠を必ず確認する私が仕事を行う上で心がけていることは、主に二つあります。一つ目は、どんなに慣れた仕事であっても手順や根拠を必ず確認することです。例えば一般的なマンションの消防同意では、注意すべき点にさほどの違いはなく、同じ作業が続くことがあります。しかし、手順や根拠などの確認を怠ると、取り返しのつかない重大なミスをしてしまう可能性があります。そのため、担当する仕事に対して気を引き締め、法令などの確認を行っています。二つ目は、ポンプ隊などの災害発生時に最前線で活動する消防官の視点に立って予防業務を進めることです。デザイン性がある建物では、消防設備をなるべく目立たなく設計される傾向があり、それでは緊急時に設置されていることに気づかれず、役に立たないこともあります。災害現場で活動する部隊が活動しやすいように、消防設備の設置位置などを指導することを心がけています。
消防設備の進化にも活かしたい
消防法や建築関係の法令など、予防業務を進めるにあたって確認しなければならない法令は非常に幅広く、なおかつ頻繁に改正されるため、常に勉強が欠かせません。東京のような先進都市では、過去になかったような施設の建築計画が立てられることも多く、しっかりとした基礎知識を持った上で対応力を磨くことが必要です。法令だけでなく、消防設備に関する知識も求められるため、最新の設備に関する情報を集めるとともに、建築士の資格取得に向け勉強にも力を入れていきたいと考えています。また、本部庁舎の予防課で消防設備メーカーと直接協議できるようなポジションに就き、より安全な消防設備の開発・実現に寄与するのも目標の一つです。
- ポンプ隊員
- 査察係員
- 予防係員