CAREER STEP

消防官としての基礎的な知識・技術を身につけた後、
実際の業務を通じて、自らの適性や希望に応じたキャリアを築き上げていくことができます。
変化を続ける東京を守るためにも、職員の成長は重要となります。

ABOUT SYSTEM

キャリア

入庁後の流れ

東京消防庁では、入庁後は消防学校をスタートとして、知識、技術、経験を蓄えていきます。
その後は、職員がそれぞれの能力を活かし、自らのキャリアを切り開くことができます。
職種の幅広さは東京消防庁ならではです。

入庁
消防士任命
消防学校入校・卒業
約半年間で消防業務の基礎を修得
消防署配置
消防署に配置後、主にポンプ隊員として実務を経験
研修
専門知識・技術を習得し、それぞれの分野で成長
人事制度

職員の階級と職務

階級等 職務 職級
(事務職員含む)
消防士 隊員 係員
消防副士長
消防士長 小隊長等 副主任
消防司令補 中隊長等 主任
消防司令 大隊長等 係長
消防司令長 副署長/課長 等
消防監 署長等
消防正監 消防学校長/技術安全所長/方面本部長
消防司監 次長/理事/部長
消防総監 消防総監

主な庁内専門技術の取得例

高度な救助技術で命を救いたい
消防車両を運転・操作したい
救急・救命処置をしたい
災害による被害を未然に防ぎたい
研修制度

庁内研修

  • 専科研修
    救急救命士の養成をはじめ、救助、機関、放射能などの業務に従事する職員に対し、それぞれ専門的な知識、技術を習得させるための教育訓練を行っています。
    特別救助技術研修/水難救助技術研修/特別操作機関技術研修/ポンプ機関技術研修/機動二輪活動技術研修/救急救命士養成課程研修/救急救命士処置拡大(低血糖・ショック)特別研修/救急標準課程研修/化学災害技術研修/予防技術研修 など
  • 特別研修
    現任の職員に対し、特定の事項についての知識・技術を修得させるために実務的訓練を行っています。
    経理関係事務特別研修(基礎課程)/経理関係事務特別研修(実務課程Ⅰ)/経理関係事務特別研修(実務課程Ⅱ)/経理関係事務特別研修(管理課程)/救急救命士処置拡大(薬剤投与)特別研修/救急救命士処置拡大(気管挿管)特別研修/救急隊長特別研修/救急救命士実務特別研修/予防実務特別研修(基礎課程)/予防実務特別研修(査察、予防、防火管理、危険物)(専門課程)/予防実務特別研修(火災調査課程)/予防実務特別研修査察(予防、防火管理、危険物)(管理課程)/情報通信システム指導者(情報課程)特別研修/情報通信システム指導者(通信課程)特別研修/実火災体験型訓練指導者養成特別研修/NBC災害基礎特別研修/消防団教育訓練指導者特別研修/機関員指導者養成特別研修 など
  • 管理者・幹部研修
    人格の陶冶、業務管理能力、部隊指揮・統率力等、管理監督者として必要な能力の伸張を図るための教育訓練を行っています。
    部長等研修/参事等・署長・副本部長研修/署長任命予定者研修/副署長任命予定者研修/本庁課長・副参事等・副署長等研修/新任副署長研修/警防課長研修/予防課長研修/上級幹部研修(消防司令長新任課程)/中級幹部研修(消防司令新任課程)/初級幹部研修(消防司令補新任課程)/初級幹部研修(消防士長新任課程) など

委託研修

  • 外部研修機関
    外部教育機関への委託研修で業務に必要な専門知識と技術を身につけます。
    大型自動車免許取得委託研修/緊急自動車運転技能向上委託研修/海技従事者養成委託研修/航空従事者養成委託研修/支援デブリーファー養成研修 など
  • 大学院や研究機関
    消防行政に活かすことを目的に、大学院研究室などで先端的な学術知識を修得します。
    東京都立大学大学院 都市環境科学研究科/政策研究大学院大学 政策研究科 公共政策プログラム/筑波大学大学院 システム情報工学研究群 人間総合科学研究科/東京理科大学大学院 理工学研究科/電気通信大学大学院 情報理工学研究科/横浜国立大学大学院 環境情報学府/国立研究開発法人 防災科学技術研究所/株式会社三菱総合研究所/総務省 消防庁 消防大学校 消防研究センター/大学医学部付属病院 など  

ABOUT PEOPLE

TRAINEE INTERVIEW研修生インタビュー
TRAINEE01
  • 救急部 救急管理課
    平成25年入庁 関東地方出身

  • 委託研修のきっかけ上司の後押しで、一年間にも及ぶ
    病院内での委託研修を決断しました。
    大学病院の救命センターでの委託研修は、以前の上司が勧めてくれました。救急隊員は、基本的に救急外来で傷病者を病院に引き継ぎます。しかし、今の委託研修では普段の活動だけでは知り得ない傷病者を引き継いだ後の病院内のことを学ぶことができます。入院後の患者さんの経過や、カンファレンスにも参加できる機会があり、今後の救急活動に活かせることがたくさんあります。
  • 委託現場での研修内容新しい技術を学ぶために、
    実践での研修を行っています。
    研修では、救命救急センターに搬送されてきた傷病者に対し、医師や看護師の治療サポートを行いながら救急医療に関する知識や技術を学んでいます。また救急救命士でなければ行えない「気管挿管」の処置ができるように実習を行います。
  • どのように実務に活かしますか?将来の目標は、救急隊長。
    得た知識や経験を活かして、
    さらに上を目指していきたい。
    現場と病院内の両方を知ることで、今後の救急活動がよりスムーズに行えると思います。現在は様々な患者さんを看ながら、「この症例に自分が現場で遭遇した時はどういう活動をするのか」を常にイメージしています。研修期間中に得た貴重な知識や経験を活かして、指導的立場の救急救命士になれるよう、努力していきたいです。
TRAINEE02
  • 防災部 震災対策課
    平成26年入庁 中部地方出身

  • 委託研修のきっかけ防災を専門とする「防災部」。
    そこで働きたい一心で、
    東京消防庁に入庁。
    中学1年生のとき、私は新潟県中越地震で被災しました。その経験から自然災害による被害を事前に防ぐ「防災」に興味を持った私は「防災を学びたい」と進学先を決め、「防災部で働きたい」と東京消防庁を目指しました。最近は地球の異常気象により風水害の発生危険も高まっています。「大学で学んだ知識だけでは、とても希望する防災部では活躍できない」と思い、入庁3年目で大学等委託研修制度に挑戦しました。
  • 防災部 震災対策課 平成26年入庁 中部地方出身

  • 受講内容テーマは首都直下地震。
    地震火災から人々を守るため、
    強い使命感で学んでいます。
    現在、筑波大学大学院の都市防災研究室に派遣されています。1年生の前期は地震や火災をはじめ水害、雪害、原子力災害、津波災害など幅広い分野の知識を深めました。後期からの専門分野の研究課題は、首都直下地震に備え、都内の住宅密集地が火災になった場合の対応策など「都市の地震火災」です。事例も少なく参考文献も古く苦労していますが、今の東京都になくてはならないテーマだと考えています。
  • どのように実務に活かしますか?防災のプロフェッショナルとなり、
    国や東京都、区市町村と連携した、
    防災対策をつくっていきます。
    まだ2年間の研修途中ですが、集大成となる研究論文はやはり、首都直下地震対策において役立つものにすることが目標です。また、防災対策は東京消防庁だけでなく、国や東京都、区市町村との一体的な取り組みが必要です。今後、他の機関に出向して経験を積みたいですし、私自身が防災のプロとして、東京消防庁と各関係機関が円滑に連携する防災業務に挑戦していきたいです。
CAREER MODELキャリアモデル
MODEL01
  • 災害現場で負傷者を
    出さないことが、
    私の最大のミッション
    入庁後は、ポンプ隊、特別消火中隊及びはしご隊などの部隊で、様々な災害現場を経験しました。現在はポンプ隊中隊長として、大隊長等の指揮者の命令を受け、各隊の隊員を指揮し、消防活動に当たります。災害現場の状況を正確に把握し、複数からなる小隊に目を配り、刻一刻と変化する災害現場の状況からも目を離しません。指揮するだけでなく、命がけで現場に臨む隊員の安全を確保することも中隊長の役目です。
    火災などの災害現場は一つとして同じ現場はありません。常日頃から、あらゆる困難を想定した訓練を実施し、緊張感をもって備えることが必要不可欠です。私の指示に従って的確に行動するだけでなく、隊員一人ひとりが適切な状況判断ができるように、“困難な状況の中で隊員一人ひとりがどのような行動をとるべきか”を話し合う機会も訓練後に設けています。災害現場で仲間を受傷させない、安全かつ確実に活動させることが重要です。
  • 多くの出場現場での経験を
    後輩たちへ伝え、
    “二度とない災害現場へ、
    万全の備えで出場すること”
    入庁から約17年間で様々な災害現場を経験してきました。その中でも印象的だったのは、東日本大震災で緊急消防援助隊として現地の活動に従事した時です。被災地の皆さんは大変な状況でありながら、活動する我々に向かって横断幕で感謝の言葉を伝えてくださいました。首都東京だけでなく、日本全国で活躍できることを実感できたことが、私のキャリアに大きな影響を与えてくれました。
    その後、はしご隊長として活動するかたわら、消防学校の講師として自身の知識や経験を活かした指導を研修生に行いました。指導した部下や研修生が優秀な成績を収め、「中隊長(講師)の指導のおかげです」と言ってもらえた時は、とても嬉しく思いました。教えたことをすぐに吸収して成長する隊員たちの姿は、自信につながり、今後も精鋭部隊を率いて都民の方の安全や命を守ることに貢献していきたいです。
MODEL02
  • 街の危険を見逃さない、
    仕事を通じて知った
    「火災を未然に防ぐ大切さ」
    東京消防庁は、仕事をしながら自分が進むべき新たな道を発見できること、そして、その実現を研修や配属で積極的に後押ししてくれる点でも魅力的な職場だと感じています。私は教育学部の出身で、教師になることを将来の道の一つとして思い描いていました。しかし就職活動を本格的に考え始めたあるとき、公務員試験に関係する参考書を見る中で「消防官」の存在を再認識し、「人を助ける仕事」に興味が膨らみ、東京消防庁を志望しました。消防学校卒業後は、ポンプ隊員として活動しながら予防業務に携わるうちに、「火災を未然に防ぐ大切さ」を知りました。その後、消防署の予防課査察係へ異動し、主な業務として立入検査などを行うなかで「火災の基本を理解し、業務に活かしたい」と強く思うようになりました。東京消防庁には、大学院等で消防業務に必要な専門的知識・技能を修得することができる研修制度(大学等委託研修)があり、私は2年間、火災予防について学びました。
  • 委託研修での学びを
    建物の安全性向上につなげ、
    安全・安心な街づくりを
    私が研修で出向したのは国際火災科学研究科という学部で、火災の原理についての勉強及び研究と、建築の法令に関する講義が主な内容でした。教育学部という文系出身の私が理系の大学院で学ぶことは想像もしていませんでしたが、火災予防についてより深く知りたい、学びたいという意欲は尽きませんでした。また、同じ研究室には消防設備メーカーから研修の一環で来ている方もいて、消防署から指導される側の話を聞けたことも貴重な経験となりました。研修から戻った後は、1年ほど消防署の予防課予防係に在籍し、その後2年半、本庁の予防部査察課で各消防署の査察業務をバックアップする仕事を担当しました。本庁では、東京消防庁全体を見ながら査察業務の効率化と最適化に寄与するやりがいを知り、消防署の予防課査察係主任となったいま、部下の育成を行うとともに地域の建物の安全性をより高めるため、日々業務に取り組んでいます。