STAFF
INTRODUCTION
07
警防部 総合指令室
平成25年入庁 東京都出身

119番通報が集まる総合指令室
見えない災害実態を把握し
部隊の活動を支える

総合指令室は都内からの119番通報を受け付け、通報内容から災害種別を瞬時に判断して必要な部隊を出場させるとともに、出場隊との無線交信や救急隊の活動支援、さらには警察など関係機関との連絡調整などを行います。約1400万人もの都民が暮らしていることに加え、仕事や観光のために多くの方が訪れる首都東京だけに、火災や救急などの119番通報も多く、東京消防庁では23区を管轄する総合指令室と、稲城市を除く多摩地域を管轄する多摩指令室の2拠点で災害対応の窓口として業務を行っています。
総合指令室は119番通報を受け出場指令を行う「災害受付」、災害現場に出場した部隊と無線などを活用して連携を図り、現場を支える「無線担当」、救急隊の活動を支援する「救急管制」の3つの業務があります。私は総合指令室と多摩指令室の両方で勤務し、3つの業務全てを経験し、様々な知識と技術を習得することができました。現在は総合指令室の「救急管制」として、傷病者をスムーズに病院へ搬送できるよう、現場の救急隊だけでは判断や対応が困難な事案について、総合指令室に常駐する指導医の指示・助言をもとに、病院への連絡を行い搬送先の病院の早期確保に務めています。
  • TOPICS01

    消防署の指揮隊として勤務していたとき、災害現場で総合指令室と無線交信を行い、災害の状況を俯瞰的に捉え、迅速に対応する総合指令室の仕事に興味を持ちました。顔の見えない相手や出場隊からの通報・報告で災害実態を把握し、部隊を運用する仕事に魅力を感じ、総合指令室の一員になりました。総合指令室に配属された職員は最初に「災害受付」を担当し、指令業務の基本を身につけます。通報電話の会話だけで状況を把握するのは思った以上に難しく、通報者が慌てている場合、正しい情報を聞き出すのに時間がかかってしまうことがありました。どのように相手を落ち着かせ必要な情報を得るか、先輩たちの対応を見ながらコツを学ぶと同時に、経験を重ねるうちに聞こえてくる「音」全てが重要な情報になることを知りました。周囲の喧噪や、近くにいる他の人の声も、現場の様子を想像する大きな手がかりになります。こうした耳に入るあらゆる「音」を活かす姿勢は、その後の出場部隊との無線交信による連携活動にも大いに役立っています。

  • TOPICS02

    私は総合指令室と多摩指令室の両方を経験していますが、東京都内には様々な地域特性があることから河川や山の事故など特異な事案の指令業務に対し、難しさを感じました。多摩指令室で勤務していたとき、河川での水難事故が多く一刻を争う災害であるため、急流救助に対応する部隊運用や指令の訓練を行いました。私は大学時代にライフセービング部に所属していたため、海の事故に関する知識を学んできました。しかし河川の事故は海とは違い、要救助者がどんどん下流に流される中、出場隊をどの場所に向かわせるべきか、判断に迷うことばかりでした。地域特性を理解し、どんな状況であっても瞬時に判断ができるよう、日頃から様々な災害への対応を考える必要があると痛感しました。現在は「救急管制」で救急隊のサポートを行っています。病院の医師と連絡をとることもあり、話の中で医学的な専門用語が多く、理解しきれなかったことは自分で調べ、知識を蓄えています。

CHALLENGE
様々な災害に携わった経験を
現場での活動に活かしたい

総合指令室は、ポンプ隊や特別救助隊、救急隊などのように災害現場で直接「命を救う」といった活動をすることはありませんが、現場から離れた場所にいるからこそ得られるものも多いと感じています。多種多様な災害に関わり、災害現場の動きを俯瞰的に捉えられるようになりました。私の当面の目標は、総合指令室で得た経験と知識を、指揮隊や救急隊として災害現場の活動に活かすことです。様々な部隊が出場する災害現場で、全体を把握する総合指令室に「何を伝えるべきか」を素早く判断し情報を伝えることができれば、被害をより最小限に抑えることができると考えています。将来の目標として、災害現場で収集した情報を出場隊に伝達し、部隊全体の活動を統制する指揮隊の「指揮担当」を目指して日々の業務に励んでいきたいと思います。

CAREER STEP
  • ポンプ隊員
  • 指揮隊員(伝令)
  • 総合指令室